ビートルズ

2010年12月13日 (月)

ケイオス・アンド・クリエイション

我が家にテレビが来て2週間ほどになる。新しく契約したCS放送が16日間の無料お試し期間中で、今は全チャンネルが見られるので、音楽番組や映画などいろいろな番組を楽しんでいる。

先日は、ポール・マッカートニーの「ケイオス・アンド・クリエイション・アット・アビイロード」という音楽番組が放送されたので、録画しながら見たのだけど、ファンにとってはたまらない内容だった。

2005年にアルバム『ケイオス・アンド・クリエイション・イン・ザ・バックヤード』がリリースされた直後に、アビイロード・スタジオにごく少数のファンを集めて、ポール・マッカートニーが行ったライブ演奏を収録した番組だ。

アビーロード・スタジオといえば、ビートルズがほとんどの曲を録音したまさにビートルズにとっての聖地であり、まさにその場所で、ポールがビートルズの想い出を語り、新曲からビートルズ時代の楽曲までを演奏する。ファンにとってはたまらないライブだ。

今やアコースティック・ライブやアンプラグド・ライブはありきたりになっているが、ポールのすごいところは、たったひとりのワンマン・ライブで人々を魅了してしまうところだ。自分で作った最高の音楽を、自分ひとりで楽器を演奏し、自分で歌う。しかも楽器は、アコースティック・ギターからピアノ、ベース、エレキ・ギター、ドラムまで何でも来い。究極はエルビス・プレスリーのバンドが使っていたウッド・ベース1本を演奏しながらプレスリーの曲を歌ってしまう。マルチ・プレイヤーのポールの才能にはただただ驚嘆するばかり。

圧巻は、ライブの最後、ビートルズが使用していた4トラックのレコーダーに、ポールが即興演奏したドラム、ベース、ピアノ、ギターの音を重ねて録音していき、出来上がったベーストラックで歌うという、まさにビートルズの音楽作りを聴衆の目の前で再現してみせるところだ。音楽のマジックと言うしかない。

そして、この番組の中で僕がもっとも感動したのは、ポールがスタインウェイのピアノを弾き語りで歌う「English Tea」だ。アルバム『ケイオス・アンド・…』の収録曲で、僕の大好きな曲だけど、わずか1分30秒ほどの小品でありながら、シンプルで格調高く、流れるように美しいメロディ。ポールの天才ぶりを目の当たりにする傑作曲なのだ。

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2010年11月29日 (月)

Cloud Nine

今日、11月29日は元ビートルズのジョージ・ハリスンの命日だ。亡くなったのは2001年なので、あれからもう9年になる。

今日は、ジョージ・ハリスンを哀悼し、僕がジョージ・ハリスンのアルバムの中でもっとも好きな『Cloud Nine(クラウド・ナイン)』を聴いた。

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『Cloud Nine』は1987年リリース、ジェフ・リンをプロデューサーに迎え、ビートルズ時代に回帰したようなポップでロックな傑作アルバムだ。

まずアルバム・ジャケットのジョージ・ハリスンが最高にカッコいい。そして、全曲捨て曲なしの名曲ぞろい。特筆すべきはジョージ・ハリスンのスライド・ギターで、ジョージ・ハリスンといえばスライド・ギターと言われるほどに、ハートフルな最高のギター・プレイを聞かせてくれる。さらに、曲によってはエリック・クラプトンがリード・ギターを奏している。まさにジョージ・ハリスンが最高に輝いているアルバムなのだ。

ところで、cloud nine(あるいはseven)とは英語のイディオムで、「幸せいっぱい」とか「喜びに酔いしれる」という意味だそうだ。ジョージ・ハリスンが亡くなったことは寂しいけれど、こういう素晴らしい音楽を残してくれたこと、そして、その素晴らしい音楽を聴けることは、まさに“on cloud nine”なのだ。

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2009年12月10日 (木)

『ABBEY ROAD』

ビートルズ全アルバム・リマスター盤の感想もいよいよ大詰め、今日はビートルズの実質的なラスト・アルバム『ABBEY ROAD』について。

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1969年9月にリリースされた『ABBEY ROAD』は、発売順から言えば1970年5月にリリースされたアルバム『LET IT BE』の前作ということになるが、レコーディング時期は『LET IT BE』よりも後で、実質的にビートルズのラスト・アルバムであり、内容的にもロック史上最高のバンド、ビートルズの最後を飾るにふさわしい傑作アルバムなのだ。

4人がバラバラで、事実上すでに解散状態にあるという雰囲気が濃厚に漂うアルバム『LET IT BE』を録音した後、ビートルズの4人は「もう一度4人で最後のアルバムを作ろう」と『ABBEY ROAD』の録音に入る。そうしてレコーディング、製作されたアルバムは、4人がまさに一体となり、4人の才能や個性、魅力が絶妙に融合した最高傑作に仕上がっている。僕も大好きなアルバムだ。

で、今回のリマスター盤を聞いての感想は、確かに音が良くなったものの、驚くほどの違いはないということだ。と言うのも、そもそも『ABBEY ROAD』が録音された1969年頃になると、ビートルズ初期の頃に比べれば録音機器やマスタリング技術が格段に進歩しており、旧盤でも充分にいい音で聞くことができていた。なので、初期のアルバムに比べれば、リマスター化による音質の向上感はどうしても少ないものになってしまう。

とは言え、丁寧なリマスター作業によって生み出された今回のリマスター盤は、やはり音そのものが良くなっているのは間違いない。ひとつの曲としてはこのアルバム収録曲中の最高傑作だと僕が思う「Something」では、間奏でのジョージ渾身のギター・ソロが聞けるが、リマスター化によってギターの音がクリアになり、より際立って聞こえるようになった。

また、アルバム後半で繰り広げられるロック史上に残る傑作メドレーでは、ボーカル、楽器、コーラスの音がそれぞれクリアになり、さらなる魅力を増したように思う。中でもメドレー後半を飾る「Golden Slumbers」では、ポールのボーカルがすぐ近くで歌われているかのように生々しく聞こえ、うっとりとしてしまう。

そして、ビートルズの実質的ラスト・アルバム『ABBEY ROAD』の実質的なラスト・ナンバーである「The End」では、リンゴの長いドラム・ソロに続いて、ポール、ジョン、ジョージのギター・ソロ・バトルが展開されるが、音がクリアになったことで、ギター・プレイの個性がより際立ったと思う。

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そしてそして、「The End」の最後、これがビートルズが世界に向けて発した最後のメッセージとなる「And in the end, The love you take is equal to the love you make」(愛とは自分自身の手で作り上げるもの)という感動的な歌を残して、ビートルズという壮大なドラマは終わりを告げる。

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2009年11月13日 (金)

LET IT BEのギター

ビートルズの代表曲のひとつ「LET IT BE」には、公式盤だけでも3つの異なるバージョンがある。

①シングル盤バージョン(プロデューサー:ジョージ・マーティン)

②アルバム『LET IT BE』収録バージョン(プロデューサー:フィル・スペクター)

③アルバム『LET IT BE~NAKED』収録バージョン

以上の3つのバージョンは基本的には同一の音源(テイク)を使用し、プロデュースや音源のミックスが異なっている。

3つのバージョンは、マニアックに言えば、バック・コーラスのバランスが違っていたり、オーケストラの有無、ブラス・サウンドの強弱などなど、細部にわたって様々な違いがあるのだけれど、マニアでなくても聞いてすぐにわかる違いは、間奏のギター・ソロだ。

「LET IT BE」のリード・ギターはジョージ・ハリスン。3つのバージョンすべて間奏のギター・ソロが違っているが、どれもいかにもジョージらしい味わい深いギター・ソロを聞かせてくれる。

どれが好きかというのは聞く人の好みの問題だけど、僕は②のギター・ソロが一番好きだ。①や③の控え目なギター・サウンドに比べると、②のギター・サウンドは激しくて攻撃的だ。おそらくプロデューサーのフィル・スペクターは、オーケストラやブラスをダビングし、華麗な曲に仕立て上げた「LET IT BE」のサウンドに負けないように、この激しいギター・ソロを選んでミックスしたんじゃないだろうか。

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今回、リマスター化されて②のギター・ソロも今までとは比べものにならないくらいサウンドがクリアになった。何度聴いても聴き入ってしまう、かっこいいギター・プレイなのだ。

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2009年11月 4日 (水)

『LET IT BE』

久しぶりにビートルズ全アルバム・リマスター盤の感想。今日は12枚目のアルバム『LET IT BE』について。

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もはや解散は不可避の状態となったビートルズが、ポールの提案により、もう一度原点に帰ってバンド演奏をレコーディングし、アルバムを製作しようと企てられたのが『LET IT BE』だ。

しかし、この企画は難航し、紆余曲折の末、1969年1月にはレコーディングも終了していたものの、1枚のアルバムとしてまとめあげるプロデューサーが決まらず、結局、レコーディング順でいえばビートルズ最後のアルバム『ABBEY ROAD』の発売後の1970年5月になって、ようやく販売された。

その後、『LET IT BE』をプロデュースしたフィル・スペクターによる過度なオーバー・ダビングを排し、ライブ・バンドとしてのビートルズの生演奏を収めるという当初のアルバム精神に立ち返ったアルバム『LET IT BE…NAKED』が2003年11月にリリースされるというように、この『LET IT BE』に関しては複雑な事情が絡み合っている。

この『LET IT BE』というアルバムは、発売までのそうした複雑な経緯もあってか、聞いてみるとどことなく散漫な感じがぬぐえず、もともと僕はそれほど好きなアルバムではなかった。「Let It Be」、「The Long And Winding Road」、「Across The Universe」というように収録されている個々の曲自体は傑作が多く、僕も好きなのだけど。

で、『NAKED』がリリースされてからは、よりライブ感が増した『NAKED』がお気に入りで、『LET IT BE』といえば、もっぱら『NAKED』を聞くようになった。

そんな中、今回、『LET IT BE』のリマスター盤がリリースされたのだけど、聞いてみての感想は、やはり音が格段に良くなったと思う。しかも、音が良くなったとより強く感じるのは、「The Long And Winding Road」のストリングスなど、フィル・スペクターのオーバー・ダビングの部分だ。

つまり、後に『NAKED』により否定され、排除されることになる部分が今回のリマスターによって音がクリアになり、音が良くなったと言える。そういう意味では、良くも悪くもフィル・スペクターがプロデュースした『LET IT BE』の個性、もっと言えば存在理由が、今回のリマスター化によって、より際立ったと言える。

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『LET IT BE』か『NAKED』はまったく別のアルバムだけれど、どちらが好きで、どちらを聞くかは聞く人の好みの問題だ。僕自身は今回のリマスター盤が出た後でも、『NAKED』の方が好きだけど、オリジナル盤である『LET IT BE』が音質そのものが良くなって生まれ変わったこと自体は評価したい。

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2009年10月14日 (水)

『YELLOW SUBMARINE』

ビートルズ全アルバム・リマスター盤の感想、今回は『YELLOW SUBMARINE』について。

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アニメ映画『イエロー・サブマリン』のサウンド・トラックである本アルバムには、ビートルズの曲が6曲しか収録されていない。しかも、これまで発売されていない新曲はそのうち4曲のみ。そのようなアルバムがビートルズの公式アルバムに入っていること自体が不思議といえば不思議だけれど、とにもかくにも、今回の全アルバム・リマスター盤の中にもリマスター化されたアルバム『YELLOW SUBMARINE』がしっかりと入っている。

実は僕もLP盤時代からこのアルバム『YELLOW SUBMARINE』を通しで聞くことはほとんどなかった。ビートルズの全アルバムの中で、もっとも聞いていないアルバム、もっとも好きじゃないアルバムと断言できる。

しかし、1999年にアニメ映画『イエロー・サブマリン』の完全版がビデオ化された際に、映画で使われた15曲がリミックスされ、デジタル・リマスターされ『YELLOW SUBMARINE SONGTRACK』としてリリースされた。この『ソングトラック』によって『YELLOW SUBMARINE』は、オリジナル・アルバムとはまったく異なった傑作アルバムとして生まれ変わり、僕もよく聞くようになった。以来、僕はずっと『YELLOW SUBMARINE』をこの『ソングトラック』で聞いており、今や僕にとって『YELLOW SUBMARINE』といえば、『ソングトラック』盤となっている。

そのため、今回、オリジナル・アルバムがリマスター化されたが、僕にとってはこのアルバムは既に1999年にリミックス&リマスターされていたのだ。なので、今回のオリジナル・アルバム・リマスター盤を聞いての感想も、この『ソングトラック』との比較ということになってしまう。

リミックス&リマスターされた『ソングトラック』収録曲は、どれもみな驚くほどに音がクリアになり、迫力が増している。その点、今回のリマスター盤は確かに音がクリアに聞こえるのは間違いないのだけれど、リミックス作業されていない分だけ『ソングトラック』ほどには音がクリアとは言えない。個人的感想としては、『ソングトラック』がリリースされた後となっては、今回のリマスター盤の意義があまり感じられない。

もっとも、よく言われていることだけど、アルバム『YELLOW SUBMARINE』の存在意義は、このアルバムのオリジナル曲「Hey Bulldag」が収録されていることであり、この「Hey Bulldog」を聞くためにアルバム『YELLOW SUBMARINE』があると言っても過言ではないと僕も思っているが、こと「Hey Bulldog」に関しては、『ソングトラック』よりも今回のリマスター盤の方がいいと僕は思う。

「Hey Bulldog」のイントロのギター・フレーズ、間奏のポールの激しいギター・プレイなど楽器の音が、リミックス盤よりもリマスター盤の方がより迫力があるのだ。特に、ブンブンと弾けまくるポールのベースの音は、リマスター盤の方が圧倒的に迫力があるし、音もよく鳴っている。こうしたこの曲のカッコ良さが、今回のリマスター盤の方が勝っていると僕は思う。

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今回のリマスター盤、リマスターされた「Hey Bulldog」を聞くために存在意義があると言ってもいいと僕は思う。

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2009年10月 9日 (金)

『The BEATLES』

世の中に、これほどシンプルで、これほど美しいデザインのアルバム・ジャケットがあるだろうか。ビートルズ通算10枚目のアルバムは、タイトルはズバリ『The BEATLES』。自分たちのバンド名だけがクレジットされたアルバム。しかも、アルバム・ジャケットは何もないただの純白。その純白の上に、「The BEATLES」という白文字が浮き彫りでクレジットされている。まさに芸術品と言ってもいいような素晴らしいデザインだ。

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そんなアルバム『The BEATLES』は、そのデザインから「WHITE ALBUM(ホワイト・アルバム)」と呼ばれている。前作『Sgt. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』で、ビートルズの全キャリアを通じて、いやロック音楽史上でのひとつの頂点に達したビートルズは、次のこの「WHITE ALBUM」からは解散に向かってひた走っていく。

アルバム『The BEATLES』は、『Sgt. PEPPER'S』できわめたようなトータル性もなければ、収録された曲も4人揃って演奏されたものはほとんどなく、4人のビートルたちのソロ音楽を1枚(2枚組み)のアルバムにムリヤリ詰め込んだようなアルバムだ。

しかし、だからといって「WHITE ALBUM」がつまらないアルバムかというと、決してそうではなく、ビートルズの最高作と評価する人も多い、素晴らしいアルバムなのだ。

僕自身も、「WHITE ALBUM」がビートルズの最高傑作とは思わないけれど、ビートルズのもっとも好きなアルバムの1枚だ。よくある質問、「無人島にビートルズのアルバム1枚を持っていくとすれば?」と聞かれれば、僕は迷わず「WHITE ALBUM」と答える。

まさに百花楼蘭、ビートルズ4人の個性や才能、音楽性が炸裂し、すばらしい音楽が惜しげもなく散りばめられた、ものすごいアルバムなのだ。

そんな「WHITE ALBUM」リマスター盤を聞いての感想は、「素晴らしい!」としか言いようがない。ヴォーカル、楽器の音、サウンド・エフェクト、どれもみな格段に音が良くなった。

あえて1曲だけ述べるとすれば、僕がもっとも好きなビートルズ曲のひとつである「I Will」、ポールの最高傑作と言っても過言ではないような、あまりにもシンプルで美しい名曲だけれど、リマスター化によってポールの歌声、スキャット・ベースの声がものすごく生々しく聞こえるようになった。その声はどこまでも甘く、ドリーミーで、聞いているとうっとりしてしまうほどだ。

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「WHITE ALBUM」、リマスター化によって、無人島に持っていく楽しみがさらに大きくなったのだ。

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2009年10月 7日 (水)

『MAGICAL MYSTERY TOUR』

ビートルズ・全アルバム・リマスター盤の感想、今日は『MAGICAL MYSTERY TOUR』について。

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イギリスで製作された映画「MAGICAL MYSTERY TOUR」のサウンド・トラック盤(6曲収録)が、アメリカで編集され、キャピタル・レコードから全11曲収録のアルバムとして発売されたものが、最終的にイギリスEMIのビートルズ公式盤になったという異色のアルバムが『MAGICAL MYSTERY TOUR』だ。

映画のサウンド・トラックである「Magical Mystery Tour」、「The Fool On The Hill」、「I Am The Walrus」や、アメリカ盤で独自編集された「Hello Goodbye」、「Strawberry Fields Forever」、「Penny Lane」、「All You Need Is Love」など、ビートルズ中期を代表する曲が目白押しの、まさに中期ベスト盤とも言える充実した内容なのだ。

収録された曲は、ビートルズのオリジナリティにあふれた本当に素晴らしい傑作で、1曲、1曲としては僕も大好きなのだけれど、編集盤ということで、1枚のアルバムとしてはどうしても散漫なイメージが残ってしまい、アルバムとしては僕はそれほど好きなものとは言えない。しかし、それはあくまでも僕個人の好みの問題であって、ものすごく強力なアルバムであることには間違いない。

さて、そんな『MAGICAL MYSTERY TOUR』リマスター盤の感想は、やはり音が良くなったなぁってことだ。ビートルズも中期以降になると、レコーディング技術も格段に進化しており、その上に、元々から丁寧な音作りをしているために、旧盤でも充分に「いい音」ではあった。しかし、このリマスター盤を聞いてみると、いい音と思っていた旧盤の音は、何だかちょっと遠くから聞こえてくるような気がするようになった。リマスター盤では、音がクリアになり、音がすぐ近くから聞こえてくるように感じられる。

個人的には、「The Fool On The Hill」でのポールのヴォーカルや、「Baby You're A Rich Man」でのポールのベースの野太い音が、より鮮明に聞こえるようになり感激した。また、「Strawberry Fields Forever」でのジョンの声の繊細さも、よりリアルに伝わってくるようになったと思う。

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リマスター化によって、ビートルズ中期ベスト盤にさらなる磨きがかかったように思う。

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2009年10月 1日 (木)

『Sgt. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』

ビートルズ全アルバムリマスター盤の感想、今回は『Sgt. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』。

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ビートルズ8枚目のアルバムにして、ビートルズの最高傑作、20世紀ロック音楽の最高到達点といった最上級の評価がなされているアルバムだけど、僕自身はこれがビートルズの最高傑作だとは思わない。しかし、ロック音楽史上初めての「トータル・コンセプト・アルバム」であり、ロック音楽史上の革命的金字塔であることは間違いと思う。

そんな『Sgt. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』のリマスター盤、聞いてみての感想は、音の臨場感が増したってことだ。サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドという架空のロックバンドの、一夜のコンサートを収録するというコンセプトに基づいたアルバム『Sgt. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』だけど、楽器の音、ヴォーカルの声、会場のざわめき、聴衆の声といったアルバムを構成するすべての音がクリアになったことで、コンサート会場さながらの臨場感がアップした。

アルバム自体が、元々から徹底的に磨き上げられ、練りに練られて作られているだけに、従来のCDでも充分にいい音で聞くことができていた。今回のリマスター盤では、さらに磨きがかけられたという印象で、アルバム全体のクオリティが向上したように思う。

白眉はこのアルバムの中で僕がもっとも好きな曲である「A Day In The Life」で、イントロのアコースティック・ギターの音や、ジョン・レノンのヴォーカルがすごく鮮明に聞こえるようになり、この曲の魅力である独特な叙情性が格段にアップしたと思う。

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20世紀ロックの金字塔が、21世紀に新しく生まれ変わったのだ。

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2009年9月28日 (月)

『HELP!』

ビートルズ全アルバム・リマスター盤の感想も今回で折り返し、今日はアルバム『HELP!』について。

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ビートルズの5作目のアルバムであり、いわゆる初期の最後に位置づけられるアルバム『HELP!』は、僕の個人的な意見としてはとても「静か」で「印象が薄い」アルバムだ。もちろん、ビートルズの全アルバムはどれもロック史上に燦然と輝く傑作ばかりだが、そんな中にあって『HELP!』というアルバムは存在感が薄い(と僕は思っている)。

『HELP!』には映画主題歌「Help!」や、ビートルズの代表曲である「Yesterday」といった傑作曲が収録されており、アルバムの質としても決して低いものではない。しかし、この後に登場する『RUBBER SOUL』や『REVOLVER』といったとんでもない革新的な傑作アルバムに比べれば、どうしても存在感が薄れてしまうのだ。それはまるで革命前夜の静けさみたいなものかもしれない。

さて、『HELP!』リマスター盤を聞いての感想としては、各曲の声がすごくクリアに聞こえるようになったってことだ。おそらくリマスター盤はどれも同じことが言えるのだと思うけれど、僕はこの『HELP!』でそのことを特に、他のアルバム以上に強く感じた。

1曲目「Help!」のジョンのシャウト、「You're Going To Lose That Girl」でのジョンのリード・ヴォーカルとそれを追いかけるポールとジョージの見事なコーラス・ワーク、「Act Naturally」でのリンゴの気持ち良さそうなヴォーカル、どれも声がよく聞こえるようになり、ビートルズが最高級のヴォーカル・グループ、コーラス・グループであったことを再認識させられる。

そして、「声」に関して言えば、『HELP!』収録曲の中で僕がもっとも好きな曲「It's Only Love」と「You've Got To Hide Your Love Away」におけるジョンの声が素晴らしくよく聞こえるようになった。鼻にかかり、ざらついて、しっとりと濡れたようなジョンの声が実に生々しく聞こえてくるのだ。この2曲がますます好きになった。

それから、楽器の音に関して言えば、「I've Just Seen A Face」の3本のアコースティック・ギターでのイントロ、3つのギターの音がそれぞれクリアで鮮明になり、素晴らしいハーモニーに感動だ。また、「Yesterday」での弦楽四重奏の音も素晴らしくよくなり、そのあまりの美しさにうっとりしてしまう。

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アルバム『HELP!』、「静か」で「印象が薄い」アルバムだったけれど、リマスター化によって今まで一歩下がって聞こえていた音が、一歩前に出て聞こえるようになった。このアルバムに対する僕個人の印象も改める必要がありそうだ。

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