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2010年11月26日 (金)

『山本五十六(下)』/阿川弘之著

阿川弘之の『山本五十六(下)』を読んだ。上巻と下巻あわせて900ページを越える長大な人間ドラマで、読み応え充分、山本五十六という稀代の人物の生き様を堪能することができた。

P1100364

上巻では、海軍次官として三国軍事同盟や対米戦争に命を賭して強硬に反対していた山本五十六が描かれていたが、下巻では、連合艦隊司令長官に任命され、対米戦争の火蓋を切る真珠湾強襲の構想を自ら固め、これを成功させて開戦直後の緒戦を優位に進めていくうちに、昭和18年4月、ソロモン諸島の最前線にて敵機の襲撃を受け壮絶な死を遂げるまでが描かれている。

著者の阿川弘之は山本五十六の生涯を描くにあたり、100名を越える関係者と会い、様々な証言を得たり残された手紙を見せてもらったするなど、綿密な取材活動を行い、その成果を実に生々しく描き挙げている。

そのため、山本五十六という英雄が、実は大の博打好きであったり、若い愛人を持っていたりと、英雄らしからぬ一面も持ち合わせていたという事実も明らかにされており、僕たち読者は山本五十六の素顔により近づくことができ、より人間らしさを感じ取ることができる。

あとがきを読むと、そうしたスタンスの阿川氏は遺族から名誉毀損で訴えられることになったということだけど、山本五十六のそうした生き様を描くことによって、山本五十六という人間の価値が下がるものでも上がるものでもないと僕は思う。そういう面も含めて山本五十六というひとりの人間なのだから。

三国同盟や日米開戦に命を賭して反対し、ひとたび戦争が始まってからは総指揮官として自らの義務を最大限に果たし、最前線で散っていった山本五十六の鮮やかな生き様には大きな感銘を受けたのだ。

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コメント

反町栄一 著作の
「人間 山本五十六」の方が、より正確だと思いますが。
戦時中、まだ十代だった阿川氏より、
実際に、同郷で、山本家や山本長官の実家の高野家と親しかった反町氏の書いた本の方が正確だと思います。
山本長官も男だから野暮は言いませんが、死人に口無しです。
愛人のだと言う人は、何とでも言えます。
宜しかったら、先ず上記の本を読んで頂きたいと思います。

尚、昭和25年位の古い本なので、新潟の図書館などで観覧するか、まとめた編集本を借りなくては読めないかも知れません。(東京の国会図書館などでは読めるかもしれません)
もし駄目なら、山本長官の書かれた「父 山本五十六」が、参考になります。

駄文、失礼しました。

投稿: 本 | 2010年12月 2日 (木) 03時46分

本さん、情報をありがとうございます。

人間には様々な面があるので、あるひとりの人の評価であったり、ひとりの作家の記述をもってその人のことをわかった気になるのは正しくないと僕も思います。
できるだけ多くの人の評価や記述を知ることによって、より真実の姿に迫ることができるんじゃないかと思います。
山本五十六のような大人物になると、人間も多面的だし、人々の評価も様々だし、よけいにそうだと思います。
機会を見て、ご紹介いただいた本を読み、山本五十六の人間像に迫ってみたいと思います。

投稿: ハートフィールド | 2010年12月 2日 (木) 21時32分

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